「人とロボットのコラボ」日産自動車九州工場訪問
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見学最初の溶接ロボット80台に圧倒される。ひとつの作業工程は1分間で、次の車の作業にかかれるように生産管理されていた。塗装後、ドアの取り外し、電子機器など実装部品の取り付け、そして検査では人間が活躍する。生産工程全体では、ロボットと人間のコラボレーションされている。それで一台が組み立て工場内で16時間で完成する。販売店の注文から2週間から20日で納品される。2万から3万点と呼ばれる自動車部品は、サプライチェーンマネジメント(SCM)で支えられている。勤務時間は800-1700と2000-500の二交代制。2時間で10分休憩、昼休み、午後も2時間で10分休憩をはさむ。従業員3300人(正社員以外を含めると約3700人)。
一日の生産台数が約2200台、年間65万台の生産能力になる。ヤフオクドーム34個分の敷地面積に2つの組み立てラインがある。このほか日産車体の組み立てラインもあります。ノート、エクストレイル、ムラーノ、ティアナ、セレナ、北米輸出のローグなどが組み立てられています。ただし、心臓部エンジンの組み立ては、横浜工場やいわき工場などで生産されている。
DVDの冒頭はカルロス・ゴーン氏(2013年度の報酬は9億9500万円)。経営危機にさらされた日産自動車は1999年、資本提携したフランスのルノーから、ゴーン氏をCEOに迎え入れた。それから15年以上もトップを続け、現役の社長在任期間としては上位にある。長期の在任期間ゆえに、ゴーン氏の次に関心が高まる。
最後に、自動車メーカーと教育との関係ではグローバル人材でつながる。日産が外資系になったことで当然ながら、社員昇格で英語が重視され、トヨタ自動車も1999年1月にグローバル人事室を設けるなど、日本の2大自動車メーカーがグローバル人材にシフトしていった。リーマン・ショック後の景気対策に乗り、自動車メーカー発のグローバル人材が時差をおいて、高校や大学にやってきた。
日産自動車は本社採用の大学新卒社員に対して、入社後のTOEIC730を目標として明示している。ただし合否判定には使わない(『日刊工業新聞』2014年9月9日)。おそらく採用側は、語学力より重視するのはタフさだろう。先進国でも新興国の出身者とコミュニケーションが取れ、国・地域を問わずに勤務できる適応できる人材が欲しいだろう。(以上、小原)
訪問記録
長崎県立大学国際情報学部の学生13名(留学生2名を含む)が日産自動車九州工場を訪問しました。プレス(DVD)、車体組み立て(ロボット溶接)、塗装(DVD)、トリム(車両組み立て)および検査までの工程、そして工場の窓から日産専用の港湾も眺望できました。素晴しい見学コースです。
訪問日時:2015年2月26日1330-1515
生産能力
日産自動車:53万台
日産車体九州:12万台
生産車種
第一工場:ムラーノ、セレナ、ティアナ、エクストレイル、ローグ(輸出専用)
第二工場:ノート、エクストレイル、エクストレイルクリーンディーゼル、ローグ(輸出専用)
従業員数
日産自動車九州の正社員約3300名(正社員以外を含めると約3700人)
ロボット数
第一工場:730台
第二工場:470台
自動車運搬船
1隻で500台~6400台積載可能
学生の声
全ての年齢層の見学者に応じた工夫がなされていることがわかりました。子どもにも大人にも楽しめるしかけがありました。例えば、ロボットにキャラクターの名前をつけることで親近感をもたせたり、塗装前後のドアや車種ごとのタイヤを視覚情報だけでなく、手触りでも覚えさせるということから、見学者が楽しみながら学べる工夫が見受けられました(国際交流学科1年生)。
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