スカイマークのノーサービス宣言への違和感「朝日新聞WEBRONZA」長崎県立大学 国際情報学部准教授 小原篤次
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「航空券、送ってくれたのはよかばってん」「安いチケットは時間かかるたい」。隣に座る80代になるという女性が嘆いた。お孫さんの結婚式に出席するためこの飛行機に乗ったという。この飛行機とは、長崎から神戸経由で羽田へ向かうスカイマークの機内だった。他社の直行便なら1時間40分の距離だが、神戸の待ち時間を含めて定刻で2時間55分、この日は、羽田空港が混雑していたため、首都圏上空で旋回し3時間を大きく過ぎて到着した。
■LCCの低料金は大きな魅力
この路線の普通運賃は、スカイマーク1万8800円、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)の往復割引料金の半値程度だ。スカイマークは5つの価格を設定、最も安ければ1万2800円で飛べる。あわせて格安の宿を探せば、ANAやJALとホテルを組み込んだ出張パックよりも安い。結婚で出費が嵩むお孫さんに限らず、経費制約が大きい中小企業関係者、面接でたびたび東京に呼び出される就活中の学生など価格に敏感な顧客層には、1万円以上の価格差は大きな魅力である。時間やサービスの代わりに価格で選ぶ消費行動である。
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