【統計で読むアジア】第1回:2100年でも続いている「アジアの時代」

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アジアに関連した3回目の連載は統計を用いてアジアを鳥瞰させていただく。編集部の先見性は中国が統計精度を高めるという国際公約に先駆けたことになる。中国の習近平国家主席は豪州で2014年11月中旬に開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議で、国際通貨基金(IMF)が定めた「特別データ公表基準(SDDS)」を近く採用すると表明したからである。1997年のアジア危機でワシントンコンセンサスと批判されることが多いIMFだが、実は前年に金融危機を防ぐため、SDDSという統計基準を新設している。1994年のメキシコ危機を受けて1995年にカナダで開かれたG7で決まったものである。2003年4月現在、34カ国、2014年11月現在では71カ国が採用しており加盟国の40%近くになってきた。国際経済は中央銀行システムなど恒久的な制度を欠いたまま、貿易、直接投資、出稼ぎ者の海外送金に比べて短期の金融・証券取引が拡大している。SDDS採用後、何度も世界は金融危機を経験しており、統計精度を高めただけでは危機が防げない。よって観察し警戒することを怠ってはいけない。

マーケティングの基本は人口である。国連の2012年人口推計(中位値)によると、世界の人口に占めるアジアの人口は2000年の61%がピークで、その後も50%を超す状態が2065年まで続く。推計が公表されている2100年まで確認してもアジア(43%)がアフリカ(39%)を越しており、人口ではアジアが依然、世界の中心を構成している。アジアにとどまらない世界一の人口大国が2030年には中国からインドに変わる。中国は1979年に採用した一人っ子政策を緩和するものの、すでに沿岸部を中心とする都市中間層以上の購買力は日本、韓国、台湾、香港、シンガポールと大差はなく、豊かになった二代目が出産・育児に回帰するのは力のある政治体制とはいえ困難だろう。かといって農村部に人口増加を委ねるのも農村から都市へ自由に移住できない現状では採用しにくい政策である。国連推計より早く中国とインドの人口逆転は起きる可能性もあるだろう。なお人口減少は中国では2035年、インドでは2070年からと推計されている。

インドの2005-2010年の年平均人口増加率は1.346%である。アジアでは比較的高いものの、世界全体の中位値より低位にある。アジアでこの水準を上回っているのは、シンガポール、マレーシア、フィリピン、カンボジア、豪州、インドネシアである。シンガポール、マレーシア、豪州は移民受け入れ政策が影響している。世界的に見れば、中東やアフリカのイスラム圏が人口増加の上位にある。経済的にはハラルビジネスや観光客の受け入れというビジネス機会、他方、政治的にはイスラムとの摩擦、イスラム内の摩擦というリスクを内包する。最後に日本の人口は2065年には1億人を割り込む。安倍政権の50年後、1億人を維持との表明の背景である。2030年にはフィリピンが日本の人口を超える。

日本にとって、インドネシアとともに人材送り出し国としての関係を深めていくだろう。

寄稿先:公益社団法人国際経済労働研究所の機関誌『Int’lecowk――国際経済労働研究』2015年1月号
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Int’lecowk 2015年1月号(通巻1046号)
PDFで読む。(国立研究開発法人科学技術振興機構-researchmapに移動します)

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教育にイノベーションを〜これから10年の教育市場の展望〜

パネルディスカッション テーマ「教育にイノベーションを 〜これから10年の教育市場の展望〜」
◆ 松田 悠介  (認定NPO法人Teach For Japan CEO 兼 代表理事) GSC/モデレーター
◆ 平山 恭子氏 ((社)Future Sills Project研究会事務局長/(株)ベネッセコーポレーション教育事業本部)
◆ 藤原 和博氏 (教育改革実践家/杉並区立和田中学校 元校長/元リクルート社 フェロー)
◆ 山口 文洋氏 (株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 執行役員)

教育改革で産学連携を推進した企業人たちが、教育を明確に市場として位置づけて、今後について議論しています。

パネルディスカッション
運営団体サイト

2014年度証券ゼミナール大会の概要

1.論文テーマ
1.今後必要な金融リテラシーについて
2.日本の証券・銀行におけるリスクマネジメントの今後について
3.中小企業における資金調達の方策について
4.グローバル金融危機について
5.家計における資産構成の在り方について
6.日本の証券市場の活性化について
7.我々にとっての望ましい年金のあり方について

2.大会関連日程
4月24日(金)石井証券研究振興財団締切
5月30日(金) 参加申込書提出締切
6月30日(月) グループ別参加者リスト提出締切
9月下旬 ブロック別参加団体HP掲載
10月6日(月)ドラフト締切(ゼミ内)
10月中旬   航空券の購入
11月3日(月) 参加費用振込締切
11月1日~3日 論文提出期間
11月14日(金) パワーポイント提出締切
11月16日(日) 論文HP掲載
11月20日(木)質問票提出
11月27日(木)質問票公開
12月12日(金)・13 日(土) 証券ゼミナール大会

3.具体的な評価基準
論文
40点
形式の正確性
論理の一貫性
提言の独自性、実現可能性など

討論
40点
チームワーク
論理の一貫性
発言の一貫性
その他

パワーポイント
20点
発表時間
プレゼン能力
スライド構成

100点

2014年度証券ゼミナール大会(12月12-13日、証券研究学生連盟主催)への御礼

証券ゼミナール運営者および参加者への御礼

長崎県立大学国際情報学部国際交流学科から、小原ゼミ3チームが初めて出場、論文提出、そして2日間の討論会も参加することができました。初出場、九州から唯一、そして彼らは経済学部でも経営学部の学生でもありませんでした。不明な点も多く、事務局に質問を重ねていたようです。温かく向かい入れていただき、誠にありがとうございました。

主催者の証券研究学生連盟、後援の日本証券業協会、助成をいただいた石井記念証券研究振興財団、そして司会や審査にあたられた先生方、各ゼミの学生諸氏に深く感謝いたします。

小原篤次

グローバル金融危機について
Aブロック
1 下関市立大学 西戸ゼミA(古賀班)
2 拓殖大学 山村ゼミ
3 立命館大学 三谷ゼミA(桑田班)
4 長崎県立大学 小原ゼミA(角田班)
5 関西学院大学 岡村ゼミ
6 青山学院大学 白須ゼミ
7 立教大学 渡辺ゼミA(海老原班)
Bブロック
1 下関市立大学 西戸ゼミB(小林班)
2 日本大学 経済学部証券研究会
3 立命館大学 三谷ゼミB(今川班)
4 長崎県立大学 小原ゼミB(寺本班)
5 龍谷大学 三谷ゼミ
6 神奈川大学 戸田ゼミ
7 立教大学 渡辺ゼミB(西村班)
8 甲南大学 大塚ゼミ
9 明治大学 勝ゼミ
7.我々にとって望ましい年金のあり方について
Aブロック
1 長崎県立大学 小原ゼミA(榎並班)
2 立教大学 渡辺ゼミ
3 札幌学院大学 玉山ゼミ
5 立教大学 亀川ゼミA(三村班)
6 北星学園大学 山口ゼミ

小原ゼミに質問をいただいたゼミ
第4テーマ Aブロック
下関市立大学 西戸ゼミA(古賀班)
関西学院大学・岡村ゼミナール

第4テーマ Bブロック
下関市立大学 西戸ゼミ
龍谷大学 三谷ゼミナール
立教大学 渡辺ゼミナール・西村班

第7テーマAブロック
立教大学 渡辺ゼミナール
立教大学 亀川ゼミナール三村班